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エクセル LET 関数:式や関数の結果に名前を付けて計算する

はじめに

エクセルの LET 関数の使い方を紹介します。

LET 関数は数式や関数の結果に名前を付けて計算します。

=LET(x,1,x+2) のようにして、x+2 の x に 1 を設定して 1+2 の計算ができます。

=LET(x,1,y,2,x+y) のようにして、x+y の x に 1、y に 2 を設定して 1+2 の計算ができます。

=LET(合計,SUM(セルの範囲),件数,COUNT(セルの範囲),合計/件数) のようにして、セルの範囲の 合計/件数 から平均を計算できます。

同じ関数や計算を何度も入力するときに、それを 1 回にできるのでパフォーマンスがよくなります。

数式に引数を渡すには「LAMBDA 関数」を使用します。
この関数は 365 または 2021 から使用できます。

LET 関数の引数

LET(名前1, 名前値1, 計算)
LET(名前1, 名前値1, 名前2, 名前値2, … 計算)
名前値の値を名前に設定します。それを使用して計算した結果を返します。

引数「名前」引数「名前値」の名前を指定します。
引数「名前値」引数「名前」に設定する値を指定します。これより前の引数「名前」や数値、文字列、セル参照、関数などを指定できます。
引数「計算」返す値を指定します。引数「名前」、数値、文字列、セル参照、関数などを指定できます。スピル化

スピル化:セルの範囲や配列を指定すると結果が「スピル」します。

使い方

LET 関数の使い方を紹介します。

名前とセルを足し算する

引数「名前」とセル「B3」を足し算します。引数「名前」に 1 を設定しています。1+B3 と同じ式です。

=LET(x,1,x+B3)

単純な式はかえってわかりにくいので、通常は LET 関数を使用しません。

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名前の合計と件数から平均を求める

引数「名前」の合計から件数を割って平均を求めます。SUM(B3:B5)/COUNT(B3:B5) と同じ式です。

=LET(合計,SUM(B3:B5),件数,COUNT(B3:B5),合計/件数)

関数や計算が複雑なときに、それらに名前を付けて 合計/件数 の計算をしていることがわかりやすくなります。

2

数式を Alt + Enter で改行すると、計算式が見やすくなります。

=LET(
合計,SUM(B3:B5),
件数,COUNT(B3:B5),
合計/件数)
3

IF 関数を簡略化する

IF 関数」を使用して、条件に一致しないときに同じ数式を 2 回入力しなくてよくなります。

=LET(結果,B3/C3,
IF(ISERROR(結果),"",結果))

LET 関数を使わないときは次のようになります。

=IF(ISERROR(B4/C4),"",B4/C4)
=IFERROR(B4/C4,"")
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解説

長い数式など複雑な計算をするときは、名前を付けて処理をわかりやすくできます。また関数の結果を何度も使用するときは、1 回にできるのでパフォーマンスがよくなります。

引数「名前」の先頭の文字には英字 (アルファベット)、日本語、アンダーバー _ 、エクセルで意味のない記号などを使用できます。ABC なまえ 漢字 _

引数「名前」の先頭以外の文字には加えて数字、絵文字を使用できます。ただし、最後の文字を数字にはできません。A1B 名前A 絵😀

引数「名前」に使用できる値は、「名前の定義」で使用できるものとほぼ同じです。

引数「名前」の大文字と小文字は区別しません。

引数「名前」に文字列 ( "" で囲まれているもの) やスペース、数値、セル名、シート名など、エクセルで意味のある値は使用できません。「R1C1 参照形式」を使用しているときは Rc を使用できません。

引数「名前値」には、その前までに作成した引数「名前」を使用できます。引数「名前値3」で使用できるのは引数「名前1」と「名前2」です。

引数「名前値」や引数「計算」に作成していない名前を入力したときはエラー #NAME? になります。